例0.8 群準同型の普遍性
$ \theta:G\to Hを群準同型とする。$ \thetaに付随した図式$ \ker\theta\xhookrightarrow{\iota}G\stackrel{\theta}{\underset{\varepsilon}{\rightrightarrows}}Hを調べる $ X\xhookrightarrow{f}Yは包含写像を表す $ X\subseteq Yという関係にあるため、$ \subsetと$ \toを組み合わせた$ \hookrightarrowという記号が使われている
$ \varepsilonは自明な群準同型である
自明は$ \forall g\in G.\varepsilon(g)=1_Hという意味
$ 1_Hは$ Hの単位元
てことは$ Hって群なのかな?takker.icon
yesmrsekut.icon
「$ \theta:G\to Hを群準同型」と言った時点で、「$ G,Hが群」とも言ってることになる なるほどtakker.icon
群準同型の定義を調べたい
このとき$ (\ker\theta,\iota)に何らかの普遍性が存在するらしい
演習問題0.11 $ (\ker\theta,\iota)が満たす普遍性を答えよ
先の例と同じように示せるだろうか?
例えば双線型空間の例だと、$ (T,b)の満たす普遍性は
https://scrapbox.io/files/65c6ea2fd411da00259aa3e9.svg
のことであった
つまり、何らかの一対一対応な写像のペアを生成できればいい
今回の場合はどれに当たる?
$ \thetaから$ \varepsilonを一意に決定できるのだろうか?
群論知らん!わからない。誰か教えてください!takker.icon
図がかっこいいなー(意味はわからん)nishio.icon
p.7に書いてる通り、$ \theta\circ\iota = \epsilon\circ\iotaが普遍性で、
演習問題0.11では、これが成り立つことを示せば良いのですかね?mrsekut.icon
ですtakker.icon
$ \ker\thetaの定義を理解していたら、かなり自明な証明になるはず
↓を見ると、一般には単位元の逆像っぽい
整理するとmrsekut.icon
https://gyazo.com/64d653337883bed97ad5e7bdb150494d
証明はこんな感じの流れになる
$ \ker\thetaの確認
$ \ker\thetaとは$ \ker\theta=\{g\in G|\theta(g)=1_{H}\}のような集合のことだった
(ここで$ \thetaが群準同型であることを使っている)
①とする
$ \iotaの確認
$ \iotaは包含写像なので、$ \iota: \ker\theta\ni g\mapsto g\in Gになるのだった
②とする
$ \ker\theta\subseteq Gだから、包含写像の定義域と値域にできるということか。なるほどtakker.icon
$ \epsilonの確認
$ \epsilonは自明な群準同型で、$ \forall g\in Gについて、$ \epsilon(g)=1_Hとなる
$ \ker\epsilon=Gということtakker.icon
③とする
ここで、$ \theta\circ\iotaについて考えると
$ \forall g\in\ker\thetaについて$ \theta(\iota(g))\stackrel{\text{②}}{=}\theta(g)が成り立つ
$ g\in\ker\thetaなので、①より$ \theta(g)=1_Hである
従って、$ (\theta\circ\iota)(g)=1_H
一方で、$ \epsilon\circ\iotaについて考えると
同じ$ g\in\ker\thetaについて$ (\epsilon\circ\iota)(g)=\epsilon(\iota(g)) \stackrel{\text{②}}{=} \epsilon(g) \stackrel{\text{③}}{=} 1_Hとなる
従って、$ \theta\circ\iota= \epsilon\circ\iotaが成り立つ
説明ありがとうございます!!!takker.icon
改めて自分で$ \theta\circ\iota= \varepsilon\circ\iotaの証明を書くtakker.icon
$ \forall g\in\ker\theta.
$ \theta\circ\iota(g)=\theta(g)
$ \because\forall g\in\ker\theta.\iota(g)=g
$ = 1_H
$ \because g\in\ker\theta\iff g\in G\land\theta(g)=1_H
$ =\varepsilon(g)
$ \because\forall g\in G.\varepsilon(g)=1_H
$ =\varepsilon\circ\iota(g)
$ \because\forall g\in\ker\theta.\iota(g)=g
$ \underline{\implies\theta\circ\iota=\varepsilon\circ\iota\quad}_\blacksquare
図式でも解いてみたいtakker.icon
$ \theta\circ\iota=\varepsilon\circ\iotaなのはわかったが、これがどう普遍性と関係してくるのだろうかtakker.icon takker.iconが序章を読んで理解したところによると、なんらかの1対1対応があることを普遍性と呼ぶ
$ (\ker\theta,\iota)を導入したことで、どのような1対1対応が構成された?